いては、さすがナショナルと言うべきか、さらなる電子部品の登場です。

 LED(発光ダイオード)、ICの登場と、その大幅なコストダウンが「FFセンサー走行」とやらを可能にしました。見て下さい、コレ。

 時のガキンチョたちは、この「エレクトロニクス」という言葉に、何とも弱かったんだ。私も弱かった。「電子ブロック(学研)」なんて一番の宝物だったしね。
 この「コンソールボックス」とやらに含まれているのは、ギアの数を示す6つのランプと、スピードメーターでした。
 変速ボックスにスピードメーターを組み込んだというのが斬新でした。右の斜めに配置されてるヤツが、そう。25キロを超えると「注意速度」だとして、アラームまで鳴るんだぜ。
 宣伝文句をよくよく読むと「ナイトランの世界を広げよう」なんて書いてある。
 何でガキンチョが「ナイトラン」なんだよ。と思うと、そうではないのだ。

 答えは塾帰りなんだ。当時の少年たちは塾が終わった後に、電飾が光る自分の自転車に子供心を満足させながら、家路についたんだ。ペダルを踏めば踏むほど、電飾の明かりが明るくなって、25キロを超えるとピーピー(多分)警報が鳴った。
 塾の先生にしかられたことも、次の憂鬱な宿題のことも、その「エレクトロニクス」の光の中に一瞬だけ忘れられたんだ。
 そう思うと、ちょっと哀愁を帯びて見えてこない?

そして、そのナショナル系列、宮田自転車が最終的に到達した場所は→