続いては宮田自転車なワケですが、もうそろそろ、この時代の少年用自転車が、スーパーカーに深く深く、かぶれていたことは分かってきましたね。宮田自転車「ZERO」に登場するスーパーカーは童夢のルマン仕様でした。
昭和55年(1980)製。ここで注目すべきは、やはりと言うべきか、ヘッドライトです。 フォグライトの登場ですねぇ。リトラクタブルライトの下で、オレンジ色に光ります。
ココまで見て下さった方なら「だから何なんだ、そもそもフォグライトの意味を知っているのか?」なんて無粋なことは、もう言いますまい。ただ、この4連ライトには当たり前ながらの大きな欠点があったのです。これらのライトの電源供給は、勿論、たった一つのダイナモですから、ライトが増えたところで、全体としての明るさが変わるわけはありません。むしろ抵抗が増えて、全体としては明るさが下がるわけです。
だから上の拡大図の一番下の状態にスイッチすると、何とも暗い、薄らぼんやりしたライトになってしまうわけですよ。
一言で言うと「ママチャリのライトより暗い」です。
だから、それを認めたくない小学生たちはシャカリキになって漕ぎましたね。そして、多分、私が思いますに、シャカリキになって漕ぐうちに、子供たちは、こういうシステムに次第に懐疑的になっていったのではないでしょうか。