この自転車で、かつて東京から九州に行ったことがあるのよ。89年の大学卒業間際にね。22歳の頃さな。
若いし、髪があるし、痩せてるね。このころの体型に戻るのがベストなんだな。
でも、もうすぐだ。
ホントに自転車ってダイエットに超効くんだから。マジでー（女子高生調）。
およそ一ヶ月の旅だったんだけど、泊まりはほぼ皆んなテント。よく見ると、みんな同じ格好。ひどいもんだね、きっと匂いもひどかったんだと思うなあ。たとえ2月の厳寒期だったつってもね。
一枚目が浜松で、2枚目が姫路城の前。3枚目が目的地の宮崎。さすがに3枚目になると顔が疲れているね。頬がこけている。全くの一人旅だったから、こういう写真って、自分でカメラをタイマーモードにして撮ってるのな。孤独な旅だよな、本当に。全くクラいヤツだ、あ、オレのことか。
こういうような思い出があったから、捨てられなくなっちまったのよ。この自転車。荷物をくくりつける金具は、今ははずしてしまったけど、押入の中に眠ってる。この間、見てみたら、押入の中で錆び錆び大魔王になっていた。困ったもんだ。
あれから11年が経ったんだなあ。月日の流れの早さに驚くね。あの頃はインターネットなんてなかったしね。ワープロをやっと憶えたばかりだったわな。
ビッグバンなんてのも無かったし、それどころかバブルに向かってまっすぐ突き進んでいた時期なんだな。この旅のすぐ後に私はテレビ局に入るわけだけど、すぐにDCブランドのスーツを買ったよ。
あの頃の新入社員たちはみんなその手の服を着てたってわけさ。恥ずかしい。けっ、
みんなバブルが悪いのさ。（2000/1/21）
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