うーん、煮詰まった会議室。向こう岸はミヤタの営業担当、力石氏。
手前の金髪男は、こと自転車業界では知る人ぞ知る、が、知らない人は全く知らない二玄社、佐藤ナビやかん氏。一番奥の顔半分は尾沢編集長。ちなみにMさんこと水口氏は私の側にいましたもので写ってません。
「よしっ、分かった!」と金田一耕助シリーズの警部のごとく突然に言ったのは、山崎氏でした。
「実はですね、フルアルミフレームのですね、お蔵に入った幻のクロスバイクってのがあるんですよ。それを今お見せいたしましょう」
そう言うと山崎さんは奥に引っ込み、やがてこのようなフレームを持ってきたのです。じゃじゃん。コレがその幻のフレームです。
「フルアルミです。パヴェアはクロモリ鋼ですから、こちらの方が断然軽い。しかも強度は十分。さらに、これならば6万円台でいけるかもしれません。なぜって……。それは企業秘密というヤツでしてね……」いったい何なのでございましょう。
あるではないですか、山崎さん。
これこそ私が脳裏に思い描いていたフレームですよ。ダウンチューブが楕円になってるとこなんざ、koga-miyataの最高峰「チーム・カーボニオ」みたいで実にカッチョイイ。
「山崎さん、コレですコレです。はあはあ」
「そうですか。二玄社の皆さんは?」
「異議なし」
で、あっさり決定。
しかも、お蔵に入っていたとはいえ、オリヂナルフレームですよ。「新設計」というのは言い過ぎかも知れませんが、初めて世に出る、という意味ではね。コレから微調整を加えていく、ということになれば「新設計」としても何ら問題はないのではないかと思います。
さあ、コレを元に色々とお願いをいたしました。
前提は「軽い、速い、丈夫、カッコイイ」ですが、それに加えて、色々と試してみたいこともあります。毎日の「通勤」ですから、濡れた路面もあるでしょう。尻が痛い、なんてことは避けたいですね、さらに出来ればズボンの裾をテープで留めたりもしたくない。さらに荷物の処理も。普段はリュックでも、何かを持ち帰らなくてはならないときもあるでしょう。革靴で乗らざるを得ないときもあるかも知れません。車道から歩道に乗り上げざるを得ないこともしばしばです。
パンクしたら? 雨が降ったら?色々なことを考えつつ、試作第1号機が今月に完成します。乞うご期待です。実は私が一番期待しています。正直言いまして待ち切れませんです。