2000東京国際自転車展
JAPAN INTERNATIONAL CYCLE SHOW
〜ヒキタの極私的サイクルショーレポート〜
「いつかはコルナゴ」とか気合いを入れてるオレ。行ってきましたがな、東京自転車ショー。「プレス」の名札とか付けてね。
実は私にとってはじめての経験なのよ。自転車ショー。モーターショーはテレビの取材で何度も行ってるけど、自転車ショーは、テレビのデスクはなかなか取材に行けって言わないからね。でも面白うございました。東京ビッグサイトで「自転車の時代は来るっ」と何度も力瘤を入れてしまったことでした。さて……。まずは当然ここに行きますがね。私の自転車が展示されてるからね。例の長沼さんの「センカバイク」ブースです。
コピーライター糸井重里さんのスペシャルモデル。軽くて泥よけ付き。街乗りに最高。20万円ぐらいするんだって。
私のはそんなにしません。まあ、そんなに軽くもないしね、部品が。でも愛着が湧いてくるとだんだんカッチョよく見えてくるのだ。上のよりもイイゾ、とか私は思っている。
はあ、いきなりドメスティックでした。次はその最極端ブース、業界のドン「シマノ」です。
私にとって興味深かったのは、その業界のドンでありながら、シマノのブースは思いの外、小さいし、地味なことでした。
マニアにしか分からないような、部品や車輪などが、何だか細々と密やかに置いてあります。
地味。
だけど、考えてみると地味なのも当然なんだよね。
例えば「宮田」と「ブリヂストン」なら、火花を散らすライバル関係なんだろうけど「シマノ」にとって、周りのブースは決してライバルじゃないんだ。
言ってみれば、お客様。そうなのだ。このデカい会場の中で、このブースだけは実質的なライバルは存在しないのだね。
だからことさらに「どうだーっ!」ってアピールする必要がない。
不思議な企業だよね。実は、私はここの社員をつかまえて聞いてみたことがあります。
「シマノさんのトコは、どうしてフレームを作らないんですか?」
何と答えたと思います?
「いやあ、弊社には、その技術がないですから……」
だって。
ウソを言えー!!
不思議不思議、まか不思議な自転車業界、とか思いながら、さて、私が気になったのは、そのシマノのコレだ。
出た、廉価版オートマティック「オート3」何度も申し上げているとおり、私は「オートマティック」に多大な可能性を感じちょります。より多くの人が気軽に通勤に用いることが出来る、という意味でね。んで、これは恐らくほぼその完成型でしょう。
新登場の「オート3」。操作なし、3段、内装式、そして値段がなんと4,500円。
コレは普及すると思います。何と言っても安い。あらゆる工業製品にあって、値段が安いというのは最も大切なことです。うーん、と唸った「オートD」のさらに進化型ですから、たぶんアレ以上に自然なのでしょう。試してみたいと思っています。
ただ、ちなみに後ろに写っている黄色いのは、紛うことなき「ママチャリ」ですね。それもぶっといフレームの。この辺がおかしい。
私は思うのですよ。あらゆる工業製品にあって、2番目に大切なことは「デザイン」です。もちろん1番は「値段」。性能・実用は3番目。
このへんを認識していない日本企業はたくさんあると思うのですよ。だから日産。←ちなみに、これは「フルオートマティックバイク」。
シマノ技術の粋を尽くしたオートマ自転車です。
外装式前後ディレイラーが「オートマ」で、サスペンションの硬さがスピードで自然に変化する。
勿論、非売品です。
担当者にお話を聞くと「25万円ぐらいですかねえ」とのことでした。恐らくポルシェ、メルセデス、あたりと商談、ということになるのではないでしょうか。
25万円を出して、マニアはこの自転車を買うか? 買いませんね。ではママチャリから乗り換える層はいるか、これまたいませんね。だから一部の酔狂なお金持ちを狙うしかない。
自転車業界は何とも難しいところに立っているのです。
さて、今回私が行かねばならないブース、その3は「宮田工業」でした。ひそかに進む「茅ヶ崎プロジェクト」。担当のY氏にはじめてお会いしてきました。続きはまたいつの日か……、です。お楽しみに。
BMXのショータイム。この層は来るべき自転車社会にとって、非常に大切な層であります。